取材当日、病院を訪れた時のこと。歩けなかった犬が自分の足で歩いて帰るところでした。車までの短い距離でしたが、とても嬉しそうな飼い主さんの声に、見送る先生の背中も嬉しそうだったのがとても印象的でした。
今回は、こくたいちょう動物病院の上田先生に、犬・猫の避妊手術を中心にお話を伺いました。

先生が獣医師を目指そうと思ったきっかけは何ですか?

(上田)

簡単に言えば動物が好きだった、最初の理由はそれだけです。親がやっていたとかではないんですよ。生まれてからずっと家に動物が居る生活の中で、本格的に獣医師になろうと思ったのが中学2年生の時。自分の家の犬が死んで、その時に何とかしてやりたいっていう思いがあって、それがきっかけです。
小さな頃から動物園とかが大好きな子で、元々色んな動物を飼いたいという気持ちがあったので、ハムスターとか、鳥とか、ちょっと変わったところでフェレットとか、あとはウサギも13年位飼っていました。エキゾチックアニマルといわれる犬・猫以外の動物にもとても興味があったので、実際に自分で飼育してみて、飼った経験のある動物を診療対象としています。


獣医師としての喜びはどんなことですか?

(上田)

やっばり患者さんから「ありがとう」と言われるのが一番ですね。「ここに来て良かった」と喜んでいただけるのが一番嬉しいです。


先生のモットーを教えてください。

(上田)

昔は獣医師が主体で「こうしなさい、ああしなさい」と言うことに対して、飼い主さんは「はい」という感じでしたけれど、今は違います。飼い主さんと獣医師がお互いに意見を言い合って、一緒に進む方向を決めていけるように変わってきています。ですが、ここでコミュニケーションが不足していると「本当はやりたくなかったけれど、先生がやれって言うからやってみたら、逆に苦しそうになった」など、飼い主さんの中に後悔のような気持ちが生まれてくる。多分そういうのがエスカレートして訴訟問題になったりしていると思うんです。たったひとつボタンを掛け違っただけで、将来の方向がガタガタと崩れていくことって多いと思うんですね。ですからなるべくしっかりと飼い主さんと話をして、どんなことを考えていらっしゃるのかなと、そういうことを考えながら治療方針を提案していくようにしています。


飼い主さんと先生が、お互いオープンにコミュニケーションをとって、最善策をとれるようにということですね。

(上田)

そうですね。動物病院ですから動物を診ることが仕事なんですけれども、結局よく考えたら飼育環境とか家庭もみないといけないということなんです。動物のために人間が不幸になってもいけないし、人間のために動物が不幸になってもいけないと思うので、そのバランスもうまく考えていけるよう気を付けています。
例えば動物の病気が治ったとしても人間がご飯を食べられなくなっては話にならないですし、長年飼っている犬が痴呆になって夜鳴きが酷くて人間が眠れないとなるとやっぱり家庭がダメになってしまうんですね。ですからその辺りも動物を助けることを通じて、周囲も明るい気持ちになって地域の活性にまで繋がればいいなと常々思っています。


それでは今回のテーマ「犬・猫の避妊手術」について

(上田)

昔に比べれば一般の方にも浸透してきて、こちらから言わなくても飼い主さんから「お願いします」と言われることが多くなってきました。ですが、いつすれば良いのか、しなかったらどうなるのかというところまでは分からないと思うんです。何となく一般的にしないといけないのかなというのが入り口だと思うんですが、ここで「何のためにするのか」ということ、「しなかった場合、将来どうなるのか」ということ、「するにあたってのリスクもある」ということを飼い主さんには考えてもらいたいと思っています。3つ目が特に大切だと思っているんですが、メリットもあればデメリットもあるということをしっかりと知った上で判断してもらいたいなと思いますね。そのためにも「何のためにやるのか」ということをしっかり情報として発信していければと思っています。
HPなど情報を発信したり得るためのツールは世の中にたくさんありますが、それとは別にひとつ掛かりつけ医を作っておくことをおすすめします。分からないことがあったら訊ける人ですね。実際に話してみて信頼のおける先生を見付けて、何でも相談出来る人間関係を作っておいてもらいたいですね。


先生のモットーに通じるところですね。

(上田)

犬・猫の避妊手術にしてもいきなり初診で「お願いします」というのは、とても勇気が必要なことだと思うんです。リスクを知れば、その子の体質を理解して何でも気兼ねなく相談できる人が居るということがいかに大切なことかがわかります。
動物を飼う時はペットショップで買って来たり、拾って来たりと色々ですが、まずは飼い始めて1週間目に健康診断で病院に来て欲しいですね。そこから「次はいつ来て、次は何が必要か」ということを飼い主さんにちゃんと説明してくれる先生が居れば、飼い主さんは分からないまま悩まなくてもいいんですよ。先生と話して必要なことをやって、そういう流れでその子の一生がうまくいけば良いなと思っています。


ところで先生は今、ペットは飼われていますか?

(上田)

犬が居ますよ、フレンチブルドッグです。病院では猫も飼っています。あと家にハムスターも居ますね、娘が買ってきたんですが、世話は全部僕がやっています。娘は抱っこして「かわいい」って撫でるだけですね(笑)。


どこのお父さんも一緒ですね(笑)。
ではここで、スタッフさんから見た上田先生はどんな方ですか?

(スタッフ)
人懐っこいと思います。威圧感もなくて優しいので、患者さんから好かれることも多いです。先生のことを「かわいい」と言われる方もいらっしゃるくらい親しみやすい先生です。
日頃から人間関係をとても大切にされているので、私たちも働きやすいですし、患者さんから「元気にしています」などのお手紙をいただくこともあります。
自分が患者さんの立場でも、先生に診てもらいたいなと思いますね。


スタッフさんからもお勧めの先生なんですね。
受付には猫ちゃんも居るんですね。

(スタッフ)
病院で飼っている猫で男の子です。名前は「シラタキ」と言います。名前を決める時に食べ物の名前にしようということになって、みんなで色々な候補を出した中からアミダクジで決めました(笑)。
食べ物といえば、先生はラーメンが大好きで毎日ラーメンでもいいくらいの勢いなんですよ。休憩時間も冗談ばかり言っているような先生で、とても優しいので相談しやすいと思います。



明るく和やかな病院の雰囲気が伝わるエピソードですね。
上田先生、スタッフのみなさん、本日はありがとうございました。

Information

こくたいちょう動物病院

【ホームページ】 http://kokutaicho-ah.com/